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近年、急速に進む開発による自然の改変や、異常気象による自然災害などにより発生した斜面や法面における裸地の景観回復と自然再生を図ることが法面緑化に対し強く求められております。また、一方では地球規模の環境問題の発生、開発や建設現場におけるゼロエミッションや資源の有効活用による循環型社会の構築が求められております。
ウッディベース法面緑化工法は、開発地に生育する森林資源(バイオマス)である伐開・抜根材等を場外へ持ち出すことなく、開発地法面の植物生育基盤材・土壌資源として有効活用することによりゼロエミッションと資源の有効活用を行い、かつ地力の保全を図り、その土地に生育していた自然植生の再生を図る工法です。 |
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■ 工法の特徴 |
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● 根株・伐採材等の植物性発生材を一次破砕してリサイクル緑化基盤材として有効活用します。
● 現場発生材をそのまま(未分解)チップ化して活用しコスト・工程の縮減が図れます。
● 耐浸食性・耐凍上性に優れた基盤を造成して超遅速緑化手法による自然再生を実現します。
● 遅延分解技術によって植物の生育障害を回避して安定した緑化が可能にしました。
● 超遅速緑化により自然植生の再生を図りますして安定した緑化が可能にしました。
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ウッディベース工法によるリサイクル緑化の流れ
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その土地の植物性発生材を土壌有機物として、その土地に還元する循環型資源活用を実現します。
超遅速緑化による自然再生緑化を可能にしました。
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■ 施工フロー |
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ウッディベース工法略図 |
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■ 標準配合 |
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1.0m3当たり
名 称 |
規格・寸法 |
単位 |
数 量 |
摘 要 |
木質系破砕チップ材 |
一次破砕50mmメッシュ |
ℓ |
1000.0 |
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分解遅延・保水剤 |
バイオファイバー |
ℓ |
400.0 |
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微生物資材 |
ダルマセラミック |
kg |
5.0~10.0 |
基盤及び植物材料による |
肥料 |
緩効性肥料及び高度化成肥料 |
kg |
6.0~12.0 |
基盤及び植物材料による |
接合剤 |
高分子系 |
kg |
1.0~4.0 |
基盤及び植物材料による |
植物材料 |
種子・苗木等(在来種木本類) |
式 |
1.0 |
緑化目的・目標による |
※本配合は改良等のため予告なく変更する場合があります。
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■ 使用材料 |
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バイオファイバー |
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バイオファイバーは、スギ・ヒノキ・ヒバなどの分解しにくい針葉樹樹皮を微細繊維化した植物性短繊維材が主材料であり、長短の繊維が混在している。また、植物繊維中にアルミナ活性の高い無機物微粉末を混入している。
生育基盤材の保水能を高める役割と共に、自身の持つ抗菌作用により、生チップの分解を抑制・遅延させる役割を担う。 |
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ダルマセラミック |
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放線菌など好気性菌群を吸着させたセラミックスであり、未分解有機物を嫌気的に分解させる嫌気性分解菌と拮抗を図り遅延分解する。また、微空隙をもつセラミックスは有機物の分解過程で発生する有機酸など有害物質を吸着し無害化する。 |
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緩効性肥料(IBチッソ肥料・被覆複合肥料) |
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ウッディベース工法による植物生育基盤は、施工後約1年以上をかけ緩慢に堆肥化が進み安定した状態となるために、2種類の緩効性肥料(IBチッソ肥料、コーティング肥料)によりC/N比の調整を行う。
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(注1) |
IBとは、イソブチルアルデヒド加工尿素の略称で、水に少しずつ溶出し加水分解により尿素となり、アンモニア、硝酸態チッソへと変化する緩効性肥料である。 |
(注2) |
コーティング肥料は、化成肥料を樹脂でコーティングし皮膜を造ることにより、肥料の溶出をコントロールするタイプの緩効性肥料である。
2つのタイプの緩効性肥料を組み合わせることにより、導入植物に対し安定した窒素分の供給を図り、窒素飢餓を回避する肥料設計としている。 |
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接合剤(高分子系パウダー) |
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バイオファイバーと相乗的に作用し、造成する植物生育基盤の安定をより強化する役割を担う。
粉末状で分散性に優れ、基盤材とのなじみが良く、少量で効果を発揮する。 |
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工法選定、及び植物生育基盤造成厚さ
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破砕工 |
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ウッディベース吹付工 |
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吹付施工直後 |
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施工後約12ヶ月 |
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